K.I.H.S.WEBコラム
2016.08.23
ビジネス英語習得のための基本ポイント5選
社会や経済のグローバル化が進み、日本企業も海外との関わりなしにビジネスが成立しない、という話をよく耳にします。ビジネスに限らず、最新の情報は英語で世界を駆け巡っており、国際的に「最先端」に立つには、実践的な英語力習得は待ったなしです。中学生や高校生の皆さんはビジネス英語と言ってもピンと来ないかもしれませんが、高校受験や大学受験のためだけに英語を学ぶなんて、もったいない限りです。せっかく学んでいる英語、社会に出てビジネスシーンでもぜひ使いたいですよね。
それではビジネス英語を習得する基本ポイントを紹介したいと思います。
押さえておきたい! ビジネス英語習得のための基本ポイント5選
以下で紹介する5つのポイントは、中学・高校時代から学ぶことができるものです。
1.聴く力・リスニング力を強化する
ビジネスシーンも、最終的には人と人とのコミュニケーションです。コミュニケーションという言葉を耳にすると、「自分の伝えたいことを伝える」という自己発信力、英語ではSpeaking力をイメージします。しかし、もっと大切なことは、まず、相手が話すことを正確に聞き、置かれている状況やシチュエーションに応じて正確に理解することです。就活の大学生を企業が採用するとき、コミュニケーション能力が人選の重要なポイントになっていますが、コミュニケーションの基本は、まず相手が言うことを“聞く”ことです。英語力に置き換えると、リスニング力が大切です。英語でリスニングによる理解力は”Listening Comprehension” と言い、聴いてcomprehension(理解)する力です。英語のリスニング力と人の話を聞く力は、英語学習者にとってはコミュニケーションの基本です。日頃から努力して伸ばしたいですね。
2.基本的な文法力を使いこなす
ビジネス英語は、友達との会話と違って、正しい英語で正確に要点を伝える必要があります。そこで必要になるのは文法力です。ビジネスシーンでは、口頭によるコミュニケーションだけでなく、メールでのやり取りが頻繁に行われます。書かれた英語は半永久的に残ることになりますが、不正確で間違いの多い英文がメールで送信されると、信用丸つぶれです。ビジネスでは高度な文法力が問われている訳ではありません。しかし、中学校や高校の「英語Ⅰ」で学ぶ文法程度はきっちり理解し、使いこなせるようになることが大切です。実は、学校での英語学習が実社会で使う英語のベースとなっているのです。
3.リーディング力を強化し、英語脳を作る
ビジネスシーンでは、大量の英文を読み、正確に理解し、的確に判断を下さなければなりません。英文を日本語に直して理解する、と言う訳読をしていたのでは時間がいくらあっても足りません。速読のためには、英語を英語のまま理解する英語脳を作る必要があります。日常的に大量の英文を読み、聞くことで英語脳は形成されていきます。この際、大切なことは自分の英語力に合った英文を読むことです。難し過ぎる英文では頭に入りません。簡単すぎると上達しません。Oxford University Pressやペンギンリーダーズから出版されているGraded Readersを活用するのも一案です。上級学習者は英字新聞やタイム誌なども良いでしょう。Webサイトを活用すれば英語の世界は更に広がります。いずれにせよ、多読が英語脳形成の早道です。高校生であれば、大学受験も重要な人生の大きな関門です。英語脳ができていれば、受験英語の長文も、哲学者が書くような難解な英文は別にして、訳読しなくても理解できます。 ※中学生・高校生の皆さんに伝えておきたいことがあります。学校で訳読しながら正確に英語理解をする、そのような授業も大切にして下さい。学生時代に行っている精読、そして個人で行う多読、この両方が英語力上達の秘訣です。
4.スピーキング力を育む
スピーキング力養成は、英語学習者にとって一番悩ましい課題です。日本の英語教育にとって永遠の課題と言っても過言ではないかと思います。
英語を話せるようになるためには反復練習が大切です。自分にとって新しい単語や熟語、文法事項を使えるようになるためには、習った表現や学んだ文法事項を勇気をもって実際に使ってみることです。2回、3回、4回と使っているうちに自分のものになっていきます。
しかし、ここで問題になるのが英語を話す環境がなかなか手に入らないことです。一般の中学校や高校では、まず英語を話す機会がほとんどないのが現状ではないでしょうか。しかし、スピーキング力は、多読や多聞では養えません。実際にスピーキングすることです。英会話スクールに通うという選択肢もありますが、一般学習者にとって言語習得に必要な学習時間(700~1500時間)も英会話スクールで学ぶには時間もお金もかかり過ぎます。手っ取り早い方法は、英語圏の国に留学することです。インターナショナルスクールで学ぶ、という選択肢もあるでしょう。いずれによせよ、英語に浸ることができる環境に自分を置き、努力を重ねることが必要となります。 ※筆者は今まで数多くの海外帰国生に会ってきました。何年か英語圏に留学して優れた英語力を習得した生徒もいます。一方、友達との雑談は自由にできるが大学受験やビジネスシーンなどの公式な場では使い物にならない生徒もいます。留学を楽しむことも大切ですが、一般論としては、楽しむだけで優れた英語力は習得できません。英語が上達している生徒は留学先でも努力を重ねています。
5.TOEICやTOEFLなどの英語検定を活用する
TOEICで高得点をとってもビジネスシーンでは役に立たない、という論評を聞くときがあります。もちろん、どの分野にも例外があります。高得点者のすべてビジネスができるとは限りません。しかし、英語の基本ができていないとTOEICで700点や800点は超えることができません。アメリカやカナダの大学留学時に必要なTOEFLも自分の英語運用能力を測るために活用できます。英検も準1級レベル以上なら、一定の英語力があることがわかります。中学生や高校生が英検で準1級に合格することは至難の業ですが、目標級を定めて3級、準2級、2級と合格を積み上げていくことで英語学習のモチベーションとなります。
ビジネスシーンでは業界用語や専門用語の使用が頻繁に行われます。だから専門用語を学ぶべきだ、という声をよく聞きます。もっともな意見だと思いますが、それは一定の英語力があって、その上に積み上げるべきことです。どの分野でもプロフェッショナルに活躍するためには基本が大切です。ビジネスの世界に出る前に英検準1級、TOEIC760点と言った大きな目標をまず立てる。そして、今の英語力に合った小さな目標に向かって、一歩ずつ英語力を伸ばす、ということが現実的なステップです。
自身の将来のために・・・
外国人観光客や在日外国人の増加、社会や経済のグローバル化、企業の海外進出、海外での営業・販売活動など、さまざまな理由によりビジネス英語の習得は、現代社会を生きる上で欠くことのできない能力となってきています。特に東京や大阪、名古屋などの大都市は世界規模の発展を視野に入れている企業が多いため、将来の選択肢の幅を広げるためにも、若いうちから実践的な英語力を習得し、ビジネス英語の土台を築いておくことが大切です。インターナショナルスクール入学、海外留学など、自分に合った方法を選択し、「使える英語力」を研いておきましょう。