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2020.11.13 先生のつぶやき
社会の中で生きるという事
KIHSでは英語や国際理解を中心とした様々な分野を深く勉強します。そこで培った知識を使い、生徒たちは大学や専門学校等へ進学し、更にその知識を高めます。その知識を武器にして企業へ就職する卒業生もたくさんいます。32期生を迎えた今年度ですが、これまでに多方面で卒業生が活躍してきました。今後の更なる飛躍を願うばかりです。
現実と向き合うための「お金の勉強」
さて、学校で行う進路指導というと、大学進学のサポートをイメージされる方が多いと思います。実際に多くの学校でそれを主とした進路指導をされている事でしょう。もちろんその指導は非常に重要です。しかし、その先はどうでしょうか。
学生生活を終えて社会人になると、そうした知識だけではなく生きていく上で必要となる知識が他にもたくさんあります。私は現在1年生の担任を担っていますが、生徒たちに進学指導をする前に社会の現実、そしてお金の扱い方を教える事が第一に必要だと考え、ホームルームの時間を使って「お金の勉強」というタイトルでパワーポイントのスライドを作成し、授業を行いました。
この授業を行う決意をした背景には、私自身の経験にあります。私は最近お金の扱い方に関するYoutube動画を見たり本を読んだりしています。そこでは私が学生の頃に知っておきたかった情報がたくさんありました。「もっと早く知っていれば違った行動を取る事ができたのに!」と強く思うと同時に、今の生徒たちに教師として伝えなければならないという強い使命感を覚えました。
それでは授業内容をここでご紹介したいと思います。
①1人で生きていくために必要な費用は? / 給料とは? / 税金とは?
将来皆さんが1人で生きていくには、家賃・食費生活費・交際費・水道光熱費・通信費・その他雑費など、様々な費用がかかります。それらを合わせると(人によっては前後しますが)約15~18万円程度かかります。
皆さんが将来社会人として働くようになると給料をもらう事になりますが、預金口座に振り込まれる時には既に税金が引かれた状態になっています。税金は大きく分けて所得税・住民税・社会保険があり、所得が高くなるほど税率は上がります。
さて、そのような社会の現実を一緒に見てきましたが、どうすればお金に困る事なく豊かな生活を送る事ができるのでしょうか。
②お金にまつわる5つの力 -貯める編―
豊かな生活を送るためには金融リテラシーを高める必要があります。つまり、お金を貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う力を養う事が必要です。この授業では特に貯める・使う力に焦点を当ててお話をします。
当然ですが、お金を貯めるには余分な出費を減らす事が前提となります。そんな事は誰もが知っている事でしょうが、では何を重点的に減らせば良いでしょうか。
それは固定費です。固定費を見直し、必要最低限に抑えておけば支出を大きく減らす事ができます。
固定費で最も高額なものは家賃です。自分の収入と家賃のバランスを取る事が大切です。高い家賃の家に住みながら食費を削る人がいますが、その人は削る部分を間違っています。スーパーで50円・100円安い食材を買いに走り回る労力をかけるよりも、今より10000円安い家賃の家に住む方がはるかに効果的だからです。
次に使っていない月額固定のサブスクを解約する事です。月額固定使い放題と聞くとお得に聞こえるかもしれませんが、使っていなければそれはお金の垂れ流しと同じです。使っていない、あるいは使用頻度が低いのであれば解約しましょう。また、今ではスマホは必須アイテムになりました。スマホを持たずに社会人として生きていく事は恐らく難しいでしょう。スマホは決して安くはありませんが、大手キャリアではなく格安スマホを持てば労せずして費用を下げる事ができます(契約するまでの労力はかかりますが)。
社会人になると車は必須だと言う人もいます。住む地域によってはその通りかもしれませんが、そうでなければ無理に所有しなくてもカーシェアを利用するという方法もあります。現在は所有から共有へと時代が変わってきました。共有できるものは所有をやめて共有すれば、格段に費用は下がります。
②お金にまつわる5つの力 -使う編―
支出は消費・浪費・投資の3つに分類する事ができます。
消費とは、生きていく上で必要不可欠な出費を指します。食費・生活費・住居関係費・医療費・通信費等がこれに当たります。
浪費とは、人生を豊かにするための出費です。趣味にかけるお金や交際費がそれに当たります。
投資とは、将来的に自分の資産を増やすために必要な出費を指します。資格取得のための勉強費や、株・債券への投資がそれに当たります。
浪費は無駄だと考える人もいますが、浪費を0にして消費だけで生活すると、たとえお金が増えても心が満たされません。浪費は非常に大切な出費です。しかし無駄な出費を避ける事も同時に必要です。
ではどのような買い物をすると後悔しないでしょうか。それは、ものを「価格」ではなく「価値」で判断する力をつける事です。ものが何を生み出すのか、時間?精神的なゆとり?リセールバリュー?そうしたものを生み出してくれるものは「価値があるもの」になります。たとえバーゲンセールで半額になっている商品があっても、生み出してくれるものがなければ価値はありません。そうした視点でものを眺めると、自然とあなたの周りにあるものがどちらのものなのかが判別できるのではないでしょうか。
以上、授業内容をざっくりとまとめてみました。生徒たちは授業中真剣な表情で私の話を聞きながらメモを取っていました。生徒が書いた感想シートに目を向けると、「ものに対する見方が変わった」、「お金の扱い方が分かって良かった」、「お金という科目で1年間授業をしてほしい」というような肯定的な声をたくさんもらいました。
たった1時間の授業だったので伝えられる事も限られていましたが、生徒たちが受けた衝撃は大きかったようです。是非お金にまつわる5つの力を身に着け、充実した社会人生活を将来送ってもらいたいですね。
1年生担任、社会科・英語科教員 谷本浩瑛
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