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2015.01.23

ジャーナリストの西谷文和さんの講演 イラクの現場経験からの迫力ある話でした

ジャーナリストをゲストとする特別授業

1月22日、2.3年生を対象にゲストをお迎えして特別授業を行いました。
ゲストはジャーナリストそして「イラクの子どもを救う会」代表の西谷文和さんで、現場に行かれた人ならではの迫力あるお話でした。

過激派組織「イスラム国」による人質事件でテレビ出演のジャーナリスト

ちょうど過激派組織「イスラム国」(IS)による後藤健二さん人質事件と重なり、テレビ出演などでお忙しい中での西谷さんでしたが、話はアフガニスタンの地雷からはじまり、イラク戦争で使用された劣化ウラン弾、日本の原発、シリアで長引く内戦のある話と多岐にわたり、あっという間の100分でした。

メディア・リテラシーの必要性を痛感

特に印象に残ったのは、アメリカのテレビで一人の少女がイラクの残虐性を訴え、こんなに悪いイラクは攻撃せなばならないというような空気をつくり、それが湾岸戦争がはじまるひとつのきっかけになったという話。(後にその少女の話は嘘だったということがわかったそうです。)メディアが戦争などを扇動する手段になりうることを痛感しました。
映像や情報の受け手の私たちは、受け取ったものの背景に何があるのか客観的に、ときには批判的にメディアを見る力が必要とされます(メディアリタレシー)。そんな力につながるような授業を心がけたいと再確認した時間でした。
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講演を聞いた生徒たちの感想

以下、講演を聞いた生徒たちの感想です。
●戦争は、兵士だけが死ぬんじゃなくて、関係のない女性や子供、生まれてくる赤ちゃんにも影響するという現実をビデオを通して知りました。
●やっぱり生で現場を見てきた人の言葉には説得力があると思いました。
●戦争はやっぱり日本はしてほしくないと思いました。自分の知り合いとか、家族とか、友だちが戦争に巻き込まれたら嫌だし、自分も巻き込まれたくありません。
●私たちが普段聞いている情報は果たして本当のことなのか? 情報を切り分ける力が自分に必要だと感じました。
●イラクの現状がよく分かりました。何よりも私たちがこんなに良い生活をさせてもらっている間に、イラクでは大変な思いをしている人がたくさんいることが衝撃的でした。
●元々、テロや難民、貧困などの問題に少し興味があったけど、今回、実際の映像でニュースなどでは放送されないものなどを観て、すごく悲惨な現状を改めて知ることができました。
●今まで内戦の惨状を伝えるビデオはたくさん観てきましたが、今日見たビデオが一番心に来るものがありました。自分がいつ空爆を受けるかも分からない恐怖、被害を受けた人たちに直面したり、まるで自分が目の当たりにしたような衝撃を受けました。
●内戦で荒廃した市街地、空爆で心身ともに傷を負った罪なき市民、講演で流された映像はどれも衝撃的だった。日本は中東の紛争に関わっていない数少ない国の一つ。欧米とイスラムの間を取り持つことができのはこの国だけ。他人事としてではなく、日本もこの問題に真剣に取り組むべきだと思う。
社会科 木川 梢
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