尾形先生によるワークショップ「英単語の効率的学習方法」の概要

１１月９日（月）に、イギリスの大学院で英語教授法を学んできた尾形加奈美先生によるセミナーを実施しました。
尾形先生は、日本の高校生がどうすれば英語を効果的に習得できるのか、特に英単語を効率的に習得できる方法を研究してきました。
今回、その研究成果を学年毎に全校生徒に披露していただきました。

「英単語の効率的学習方法」を尾形先生がイギリス大学院で研究した理由

ワークショップの冒頭、尾形先生が英単語の効率的学習方法を研究した理由を教えてくださいました。
１） 英語力を高めるには英単語力を増強することが不可欠である。
豊富な単語力があれば、本校のようなインターナショナルスクールで学習すれば、高度なコミュニケーション力が養えるというのです。情報収集も情報発信も単語力によって相当左右されます。
２） 英単語を覚えられなくて困っている生徒がいる。
人によって暗記力が異なります。得意な生徒もいれば、なかなか覚えられなくて困っている生徒もいます。どうすればより効率的に単語を覚えることができるのでしょうか。

英単語を効率的に学習するには、どんな方法が良いの？

次の発題が最初にされました。
What VLS are used most often by the proficient learners of English?
＊VLS=Vocabulary Learning Strategies[英単語習得戦略；英単語学習法]

英語力が伸びている人はどのような英単語学習法をもっともよく使っているのでしょうか。
研究成果から導き出される結論・提案は次の通りです、と言われました。

英単語を効率的に学習している人は、どんなことを実践している？

英単語を効率的に習得している人は次のことを実践しています。
１） 目標を明確にしている
例えば英検２級や準１級に合格したい、TOEICで600点を取りたい、英字新聞を自由に読みたい・・・などなど
２） いくつかのＶＬＳ（英単語学習法）を組み合わせている
３） 自分に合うＶＬＳ（英単語学習法）を知っている

効果的な英単語習得法　１０カ条（抜粋）

具体的な習得方法としては１０のポイントが取り上げられました。ここでは、そのいくつかを紹介します。
１） 関連している単語を一緒に覚える
例えば、という事で本校で実施している単語テストが事例として取り上げられました。本校では英語は習熟度別クラス編成で授業を行っており、駿台文庫『システム英単語』からレベル別に毎週単語テストを実施しています。Level 1の今週の単語テストではdisappoint（失望させる）という単語が出てきます。“disappoint”と一緒に次の単語も覚えましょう。
disappointed（形容詞；がっかりした）
disappointing（形容詞；がっかりさせるような）
disappointment（名詞；失望、落胆）
Level 4での単語テストでは“be reluctant to V”（～したがらない）が出てきますが、同意語として“be unwilling to V ”があります。一緒に覚えるようにしましょう。
※『システム英単語』はこのような関連語、同意語、反意語などが的確に紹介されていて、しかもフレーズで覚えることができるように工夫されていて、一般的な高校生には使用しやすい単語帳です。
２） 覚えたい単語を発音しながら何度も繰り返し書くなど、自分の学習法を見つける
３） 目標を設定する
４） 英語を使う環境に自分自身を置く
５） 覚えたい単語を実際に使ってみる
などなど。

実際にワークシートを生徒と一緒に考えながら１０のポイントを分かり易く説明して下さいました。

「英単語の効率的学習方法」ワークショップに参加して感じたこと

私自身は３年生対象のワークショップを見学しましたが、生徒たちは熱心に耳を傾け、一生懸命ワークシートに取り組んでいました。
先生の説明を聞きながら、例えば「英語を使う環境に自分自身を置く」ことや「覚えたい単語を実際に使ってみる」ということは、本校のようなインターナショナルスクールでは日常的に出来ることで、生徒たちは恵まれた環境にいることを実感しました。実際、頑張っている生徒は、特に海外で学んだ経験がなくても、本校在学中に英検準１級に合格したり、TOEICで700点や800点を超えていくことが納得できました。

「英語を使う環境に自分自身を置く」　お勧めのサイトは？

なお、「英語を使う環境に自分自身を置く」というポイントでは、スマホなどインターネットに接続できる環境では、無料アプリで次の番組が視聴できますよ、と紹介されていました。
例えば、
BBC World News
VOA（Voice of America）Learning English
TED TALKS
British Radio
このブログには、ワークショップの内容を詳しく書くことはできません。
しかし、ワークショップに参加した生徒諸君、自分自身の英単語学習法を確立し、より効率的に英単語を習得して下さい。

覚えた単語を自分のものにするには、どうすれば良いの？

尾形先生も言っていましたが、単語力を増やすには最初は時間がかかります。しかし、知っている単語が増えてくると頭の中でいろんな単語が繋がり、より短時間でより効率的に習得できるようになります。
『英会話・やっぱり・英単語』という本が出版されていますが、英語運用能力の向上には単語力は不可欠です。単語力は一朝一夕にはつきません。覚えたい単語やフレーズは、実際に使うようにして下さい。自分で意識して実際に使った単語やフレーズは自分のものになります。そして、一旦自分のものになると簡単には忘れません。頑張って下さいね。
教育主任　滝本武

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