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2016.06.04

南海トラフ巨大地震などに備えて防災教育を実施しました

中間試験最終日、6月3日の午後に大阪市阿倍野区職員をお招きして、防災教育を行いました。

巨大地震の発生確率と想定される被害

本校は、天王寺駅の南側、大阪市阿倍野区の上町台地上に位置しています。南海トラフ巨大地震での大阪市の津波は最大4.1~4.5メートルの想定で、本校は海面から15メートルの標高で津波の心配はありません。校舎も耐震構造になっており、倒壊の恐れはありません。しかし、大きな揺れに見舞われると、交通網が分断され、天王寺駅周辺には帰宅難民が多数発生することが想定されています。また、周辺地域が被災する中で生徒を守らなければなりません。ちなみに大阪市で大きな被害が想定される地震は特に次の2つです。

南海トラフ巨大地震ー南海地震などが連鎖―

地震調査研究推進本部の発表によりますと、2045年までの30年間に南海トラフ巨大地震が起こる可能性は70%と言われています。朝日新聞社と関西学院大学災害復興制度研究所の共同調査(2015年9月28日発表)によると、この地震が起こると、大津波が発生し、死者・不明者は和歌山県で8万人、大阪府で7,700人、全国で32万3千人にのぼると予想されています。大阪市阿倍野区の防災ガイドブック(平成25年3月発行)によれば、大阪市は震度6弱の揺れに見舞われ、家屋倒壊や火災、津波による死者が12万人近くになることが想定されています。

上町断層帯地震

直下型地震の恐れもあります。豊中市から岸和田市まで大阪府を南北に走る上町断層帯地震が発生した場合、大阪市の多くで震度6強~震度7の揺れが想定されており、死者が1万人近くにのぼることが見込まれています。

大規模震災に備える本校の取り組み

本校ではこのような大規模震災に備えるため、毎年、避難訓練や阿倍野防災センターでの防災教育を実施し、万が一の事態に備えています。

大阪市内の高校では珍しい取り組み!?

今回、防災教育の一環で、地域コミュニティとの関連で大震災に備えるため、阿倍野区の防災担当職員4名をお招きして、防災教育を実施しました。阿倍野区職員によると高校で今回のような防災教育を実施する学校は少ないとのことで、今回、大阪市危機管理室の職員も2名同行して下さり、生徒たちの様子を見守って下さいました。

研修では、『20世紀 日本の地震災害』というDVDを上映し、『防災研修―大規模地震への備え』というテーマで、地域の人々と連携して防災のため尽力しておられる企画調整課の職員3名の方から貴重なお話しを伺いました。

防災研修の様子と自助・共助の大切さ

1995年の阪神淡路大震災や今年4月の熊本地震も例外ではありませんが、地方公共団体や消防・警察、自衛隊による支援(公助)が入るには3日以上の時間がかかると言われています。一方、食糧や飲料なしで生き延びることができる時間は72時間(3日間)が限界と言われており、3日間自助・共助により自分たちで生き延びなければなりません。阪神淡路大震災で救助された人の98%は自助・共助で救出されたことを聞いたとき、生徒たちが大きく反応していました。また、ビデオの中で地震の備えのない部屋で就寝している人にタンスがぐらぐら揺れて倒れる様子を見たとき、生徒たちの中からどよめきの声が聞こえました。震災に日頃から備えておかなければならないという意識が高まった防災教育となりました。BOUSAI

防災グッズを生徒に配布

来週月曜日には、生徒個人ロッカー内に常備用として、アルミ製ブランケットやレインコート、ウェットティッシュ、携帯トイレなどが入っている防災グッズを生徒個人に配布する予定です。

国際教育とリスク管理意識の育成

“Think globally. Act locally.”(世界規模で考え、身近な地域で活動せよ)という言葉にもありますが、国際社会で生きることの基本は足元から行動を起こすことです。リスク管理の意識をもち、自分の命は自分で守る【自助】、家族・友達・クラスメイト・隣人を助ける【共助】の意識を高め、地域コミュニティと連携して生きていける、そのような人として育ってほしいと願っています。

教育主任 滝本武

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