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2017.06.09

腐ったバナナを観察、イギリス人のサイエンス教員の授業(2年生)

Don’t eat! Don’t touch!

授業開始と同時に、イギリス人のサイエンス教員Warham先生の指示が飛んだ。

2年生のEcologyの授業で、先生を囲む生徒たちへの注意事項だ。

生徒の前には、腐ったバナナ。腐った牛乳。そして屋上に放置されていたヨーグルトが置かれている。菌には乳酸菌のような善玉菌もあるが、雑菌は基本的にはばい菌で、健康リスクがあるからだ。

10日ほど前の放課後、Warham先生から授業で使うのにバナナや牛乳を腐らせたいが、屋上は使ってよいか、という質問があった。常温の室内にしばらく置いて菌を繁殖させようとしたが、気温が普通で実験で使うには繁殖が十分でないというのだ。

直射日光のあたる屋上は5月中旬になってかなり気温が上がってきた。照りつける太陽光線による熱に加えて、屋上のコンクリート全体も温められる。上と下から熱せられるのだ。屋上で生徒の手に触れない区域をWarham先生と一緒に探して、”This is a perfect place for fungus and bacteria to reproduce”(ここだったら大丈夫![すなわち、菌類とバクテリアが増殖するのに適した場所])と思われるところに「バナナ」「牛乳」「ヨーグルト」を置いておいた。

と、言う訳で、高温の屋上でいい塩梅(あんばい)に菌が繁殖したバナナ。そして、先ほど冷蔵庫から取り出したバナナを手に持って、Warham先生がクラスに質問。

Which would you like to eat?

「腐ったバナナ」と「冷蔵庫バナナ」。どっちを食べたい?

”Don’t touch!”との先ほどの指示とは真逆の質問に、冗談で言っているのか、本気で言っているのか分からず、私は戸惑いを覚えた。

腐ったバナナは色は黒い(Black)が、匂いは、”How sweet!”

美味しそうな“あまぁ~い”バナナ特有の匂いが発散されている。生徒たちは興味津々で匂いを嗅いだり、見つめたり。

Everybody said, “Yellow banana from the fridge because it is yellow.”

生徒たちは冷蔵庫から取り出したyellowバナナの方を選んだ。

 牛乳のにおいはどんな違いがあるだろう?

腐った牛乳の匂いを嗅ぐときは、興味深そうに眼を輝かせながらも、さすがに顔をしかめながら、牛乳パックに鼻を近づける。

冷蔵庫から出したヨーグルトは、基本的に白いが少し乳色になっている。しかし、屋上で1週間余り放置したヨーグルトは「純白」そのもの。どうしてこんな違いが生じるのか。

“It had been sealed, so the sun’s heat may have killed all the bacteria inside.”

実は、屋上に置いていたヨーグルトはFungus(菌類)やBacteria(細菌)が入らないよう、蓋をしていた(sealed)。このため、空気中の菌類などの影響を受けずに、逆にパッケージの中のヨーグルトは太陽の熱に熱せられて乳酸菌が死んでしまっているのだろう、とのことであった。このため、”Much whiter”(純白)になっていると言うのだ。

それぞれの温度やpHを計ってみよう!

この後、「バナナ」、「牛乳」、「ヨーグルト」の3グループに分かれて、新鮮な方と腐った方の温度やpHの違いを測った。

温度は、当然のことながら屋上からのもの(屋上組)は高くなり、冷蔵庫組は低くなった。pH、すなわちアルカリ性・酸性の度合いについては、菌類や細菌が増殖すると酸性が強くなる。

“The milk is hard because the bacteria had released a large amount of lactic acid and carbon dioxide. This reduces the pH level, resulting in a more acidic mixture, like cheese. However, you cannot eat this cheese as the bacteria and fungi in the air may not be safe for humans.”

Warham先生によると、牛乳は、細菌が多量の乳酸(Lactic acid)と二酸化炭素(carbon dioxide)を放出するので固まっていく。pHの数値を下げ、その結果、チーズのように酸性の強い化合物となる。しかし、このチーズは食べることはできない。空気中の細菌と菌類は人間にとって安全とは限らないと言うのだ。

 

このブログでは、敢えて授業の様子を日本語で記しているが、もちろん授業はこの後もAll Englishで進んでいく。生徒たちは、Warham先生の説明に熱心に耳を傾けていた。使用している教科書もイギリスの高校で使われているものなので全て英語。

ところで、屋上に放置して黒くなったバナナ。“あまぁ~い”匂いが漂い、いかにも食べ頃という感じ。Which would you like to eat? と問われると、Yellow bananaよりBlack bananaの方が匂いから判断すると美味しそう。Warham先生によると、現時点ではBlack bananaは、きっちり皮さえ剥(む)くと食べることができると言う。

 

皆さんは、どちらのバナナを食べたいですか。

一週間、屋上でバナナを置いてみてはいかがでしょう。

ただし、この実験は5月下旬に行いました。このブログが掲載される頃には暑すぎて、焼きバナナができるかも・・・?!

 

教育主任 滝本武

 

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