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2021.03.02 先生のつぶやき

辞書について

皆さんは、一日に何回ぐらい辞書を開きますか? 辞書を読むのは好きですか?

私は「ことば」を職業にしていることもあり、一日に何度も辞書のお世話になります。授業準備によく使うのはLongmanのDictionary of Contemporary English、三省堂の『ウィズダム英和辞典』、英文添削によく使うのはOxfordのCollocations Dictionary。学校の仕事以外では、翻訳等で日本語を確かめたいときは三省堂の『新明解国語辞典』、趣味の朗読のレッスンには『NHK日本語発音アクセント新辞典』、などなど。電子辞書やオンラインの辞書を使うことも多くなりましたが、紙の質感を感じながら辞書を引くのが好き。特に調べたいことばがなくても、それぞれの辞書は楽しい読み物でもあります。

 

“Oxford English Dictionary”に携わった2人の偉人

数か月前になりますが、The Professor and the Madman(『博士と狂人』)という映画を観ました。Oxford English Dictionary(略称 OED)の編纂に携わった二人の人物を描いた映画です。

写真のような辞書ですが、なかなか目にする機会はないのではないでしょうか。

写真は1989年刊行の第2版で本体20巻+補遺3巻のものですが、初版は1928年に発行された全10巻。私が大学生(英文学専攻でした)のとき、研究室には初版+補遺数巻が大机の上に「でーん!」と置かれていて、シェイクスピアの戯曲など古い時代に書かれた作品を読むときにはずいぶんお世話になりました。多くの用例が挙げられていて「この辞書つくった人たちってすごいなぁ・・・」と感謝したものですが、その「すごい人たち」にようやく出会えたことになります。

映画そのものは、ことば、特に英語という言語に興味を持っておられる方にとってはワクワクするシーンが多数。辞書に興味がなくても、とてもパワフルな映画なので(ちょっとショッキングなシーンもあるのですが・・・)是非観ていただきたいので、ここではネタばらしはしないでおきましょう。

さて、このOED。70年もの歳月をかけて出版された初版は収録語数414,825語、用例1,827,306。

その編纂者たちが基本とした理念が素晴らしい! 「辞書は正しい用法を教える手引きではない。良いか悪いかという基準で単語を選んで収録する権限はない。辞書編纂者は批評家ではなく歴史家である。辞書の中心はそれぞれの単語が使われた期間の歴史」であるというのです。

私たちの使う「ことば」は時代の流れの中で常に変化しつつあります。(日本語のなかで「ら抜き言葉」が徐々に市民権を得つつあるのもその一例でしょう。)OEDは、英語のあらゆる時代のあらゆる文献からの引用を用い、それぞれの語の用法の歴史を残すという途方もなく壮大な計画のもと、気の遠くなるような地道な作業によって仕上げられました。

今後もことばの変化が「補遺」として追加され続けることでしょう。こんなふうに辞書の編纂される過程を考えると、どの辞書もとても愛おしく感じられませんか?

 

KIでも沢山辞書を使ってください!

今年度、本校では英語Level 1-4の生徒のために『ウィズダム英和辞典』、Level 5-6にはDictionary of English(英英辞典)を、各階のstock(階段横の倉庫)にクラス全員で使える数を揃えました。どちらも学習者のためにつくられた優秀な辞書で、ただ単語の意味を羅列するのではなく、語法や文法のコラムは読みごたえがあり、しっかり使えば最強の英文法書です。

ただ、どんなに良い辞書でも使い方がわからなければ宝の持ち腐れになりますから、年度当初に各英語レベルのクラスで数時間「辞書の引き方」の授業を行っていただきました。

その後もしっかりと活用してもらって英語の基礎力を着実につけてくれていることと期待しています。辞書を手にするとき、その編纂者への感謝の気持ちも少し感じてもらえるとうれしいな、と思います。

 

3年生担任・英語科主任 南美佐江

 

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